暇ズセオリー

暇人が100マイル走るイベントを開催する話 #知らんけど

【暇'sセオリー 14】勝手T.D.T走ってきたよ 〜晴れのち暴風雨、5人の運命やいかに!ナイトトレイル編〜

立川でDNP田中さん、だいさんとお別れし、とうとうフル(完走)エントリーの5人になってしまいました。残り120km、まだまだダメージもなく、なんの問題もないように見えました。その時は…

先ほどまでの賑やかさが嘘のように淡々と、どちらかというと寡黙に、必要なこと以外の言葉をあまり発しない雰囲気で足を運ぶ5人。

天気はまだもっていました。

コースは多摩川を53kmほど進み、奥多摩街道を経由して青梅市青梅鉄道公園からトレイルイン、高水山常福院で折り返すというものでした。

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そろそろ多摩川が終わります。大分暗くなってきました。恐らく20時前後でしたかね。

 

道を分かっているようで分かってなかったような…

お腹が大分減り、どこかで補給をしないとトレイルは厳しいよねということで、トレイルインする前にがっつり食べましょうということになり、あまりよく分かっていない道をどこかの駅近くに向かいました。そう、事前にエイドになり得るコンビニやファストフード・ファミレス等の場所は詳細に把握していなかったのです。

今後100マイルイベントをやる際にこの準備に対する感覚が吉と出るのか凶と出るのかは検証する必要がありますね。

とはいえ、こーたろーさんの記憶やナビ、アプリを駆使して東青梅駅方面に向かいました。

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青梅マラソンスタート地点、初めて見たから新鮮でした。そう、ロードの短距離(フルとか笑)を走ったことない人ばかりの集まりだったんですw

 

東青梅駅近くのファミレス、ジョナサンだったかな、そこにピットイン。

トレイルインすると、トイレもエイドも無いので、ここでの補給、物資確保がとても大事。

ファミレスでは皆が雑炊をオーダー(寒かったのね)、一人ノンアルコールビールを飲む人もいましたが、人心地つきトレイルに備えて着替えたりテーピング巻いたりとファミレスをトレイルレースのエイドのように使わせていただきました。

ジョナサン様、ありがとうございました。大変僭越ながら勝手T.D.Tの往路公式エイドに認定させていただきます。

小1時間ほど過ごし(セオリー的にはエイドは短時間で!)、コンビニで各自必要な補充をし、21時を少し過ぎた頃、いよいよトレイルに向かいます。

気づいたら雨らしきものがポツポツと…

 

青梅鉄道公園を目指しました。

寡黙に進みながらも、時々夜中寝ずにトレイルに入ったら「幻覚を見るのか?」「幻聴を聴くのか?」ということを話題にしていました。

この坂を登ったら青梅鉄道公園というところで、こーたろーさんが「もりけんさんの元気な姿が見たい」とか、今考えると全く意味の分からない(笑)煽りをしました。

これも幻覚への序章ともりけんが考えたのかは分かりませんが、とりあえず彼は坂ダッシュをしました。

頂上につくかつかないかの所で、幻覚を見ました。提灯を持つ長い髪の女性がそこにいました。

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幻覚じゃなかったですね。

こーたろーさんの幼馴染で、今は青梅で意識高いカフェを営んでいる奈帆さんがランプ左手に私設エイドを準備してくださっていたんです。

こっそりこーたろーさんが奈帆さんとメッセしあいながら、もりけんに幻覚を見せるために、いやサプライズで登場してくれたのでした。

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記念写真を撮っていただき、おにぎりや鳥の唐揚げ等々(これが後で命拾いにつながった)をご用意いただきました。

恐らく23時近かったと思いますが、寒い中暖かい飲み物と笑顔でお出迎えくださってホント感謝感謝でした。

「友を見ればその人が分かる」という諺がありますが、その視点で考えると、こーたろーさんって素晴らしい人ですね。

そうそう、奈帆さんは、今回の企画をこーたろーさんから聞き、青梅の義賊七兵衛のことを思い出してくださり、七兵衛が祀られている神社にお詣りに言ってくださり、お守りをこーたろーさんに託してくれたそうです。

「友を見ればその人が分かる」…

こーたろーさん、めっちゃ人格者ですね。

ちなみに七兵衛の伝説はこちら http://park2.wakwak.com/~ome.net/41sitibe.html

 

奈帆さんにお見送りいただき、とうとうトレイルインです。目指すは高水山常福院です。青梅鉄道公園から往復25kmくらいですかね。寒い夜中の過酷な道中が始まりました。

雨が徐々に降り始め、ほどなくして暴風雨になる悪コンディションの中、淡々と足を進めます。

トレイルを3回しか走ったことがなく、ナイトトレイルが初めてのもりけんはこんな感じ。

 

笑ってすませられないのは、トレイルの経験が無いから、レインウェアを持ってきていないんですよね(そもそも持っていない) 。

ウィンドシェルくらいしかなく、後は半袖短パンですよ。自称冷え性なので腹巻くらいは偶然持っていましたが…

さらに、ヘッデンも電池がすぐに切れる、手持ちライトも持っておらず、メンバーの電池をもらうということもありました。

これ、最終的に幸運にもおおごとになりませんでしたが、コースの把握同様、開催側で十分留意する必要がありますね。(まぁ自己責任とスタート時に宣言しますけど)

幸いにも、大きな事故に繋がらず、歩き通して高水山常福院に近づいてきました。

本家T.D.Tは24時間以内に完走するレギュレーションらしいですが、まず現実的でない時間に到着しました。2時くらいだったかな。

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本家T.D.Tでは、この折り返し地点に到着すると、RDのともさんが

「おめでとうございます。ここが折り返し地点です。もう完走したも同然です」というアナウンスをしてくれるらしい。

我々勝手T.D.Tもお互い同じアナウンスをした。

そう、この時既に完走したも同然だったのです!

 

 

トレイルではほぼ全てウッチーにスイーパーをお願いしてしまいました。

走りたかっただろうにごめんなさいね。

ペンちゃんが若干眠そうだったのと、まさかの家からの電話で若干消耗した感があったような…

eliさんが大分ダメージが効いてきちゃったのか眠かったのか、少ししんどそうにも見えました。

こーたろーさんは山に同化しちゃった感満載で、どんどん元気になっていった気がします。熊よけの雄叫びが一発キメたテクノユニットのパフォーマーのようでした。

知らんけど。

もりけんはレインウェアもなく、どんどん体温が低下していったみたいですが、まあまあ元気でした。

念願の?「体育座りをしている女の子」というかなり具体的な幻覚っぽいものを見たようでしたが、皆にも見てもらい、「光と苔の加減で誰もがそのように見える石」ということに落ち着いてしまい、ちょっと残念そうでした。

高水山は、夜の高水山は、素人のもりけんにはかなり過酷なトレイルで、滑る・こける・足裏に石が突き刺さる等々、数時間前までともさんの名台詞「人種はトレイルランナー」を座右の銘にしようと思っていた心を折るには十分でした。山を降りる頃には「人種・ロードランナー」と繰り返し宣言していました。

一方で信越五岳100マイル準優勝のウッチーには全然駆け下りられるどちらかと言えばイージーなトレイルだったようです。

雄叫びを上げ続けるこーたろー、ほぼ無口だったペンちゃん、ダメージがボディブローのように効いてたんじゃないかeliさん、5人5様のトレイルが終わろうとしていました。

間も無く夜が明ける、とても幻想的な景色のトレイルを後にロードに向かいました。

 

 

次回、「奇跡は起きない」けど「夢はかなう」に続く